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ホークスへの想い 2 [プロ野球]

というわけで、前回の続きです。
周囲のおじさんたちに感化されて、チビsong4uの身近にあった西鉄ライオンズ。
今は無くなってしまった平和台球場までは、途中で寄り道をせずにちゃんと行けば、
自宅から自転車で30分はかからない場所にありました。
song4u幼少期からのライオンズを時系列に振り返ると、大体こんな風になります。
※( )内はsong4uの年齢。(爆)

56~58年(2~4):西鉄ライオンズ、日本シリーズ3連覇。
63年(9):西鉄ライオンズ、最後のパリーグ優勝。その後は低迷。
70年(16):「黒い霧事件」が発覚。主力が抜け、チームの士気は地に落ちる。
70~72年(16~18):3年連続の最下位。観客は激減、ついに西鉄は撤退を決断。
73~76年(19~22):太平洋クラブライオンズとなる。本拠地は平和台を維持。
77~78年(23~24):クラウンライターライオンズとなる。本拠地は変わらず。
79年~(25~):西武ライオンズとなり、本拠地を所沢の西武球場に移転。福岡を去る。

読売ジャイアンツのV9(65~73年)のほぼ真ん中で発覚した70年の黒い霧事件。
この事件はセリーグも含めたプロ野球全体の問題でしたが、主力級が永久追放になった
パリーグに対して、セリーグへの対応は甘いものに感じられました。
その結果醸成されたのは、王・長嶋で大人気のクリーンなセリーグと、ダークなイメージが
付きまとう怪しいパリーグ、という極めて好対照すぎる明と暗の構図です。
オールスター戦などでよく言われた「人気のセ、実力のパ」というキャッチフレーズは、
単に「人気のないパ」と同義だと、ぼくは理解していました。

よくよく考えれば、ぼくの子供時代の球団は、ひとつとして現存していません。
西鉄ライオンズ(現 西武ライオンズ)を筆頭に、南海ホークス(福岡SBホークス)、
阪急ブレーブス(オリックス ブルーウェーブ)、近鉄バファローズ(楽天Gイーグルス)、
東映フライヤーズ(北海道日本ハム ファイターズ)、東京オリオンズ(千葉ロッテマリーンズ)。
チームの愛称でさえ、そのまま残っているのはライオンズとホークスだけです。


さて、そんな激動の時代、79年以降はプロ球団が無くなってしまった福岡では、逃げた女房
(西武ライオンズ)に相変わらず未練を持つ(声援を送る)人がほとんど、という状態でした。
もう戻って来るはずはないのに、何とか福岡に連れ戻す手段はないものか、などという話が
あちこちの呑み屋で聞かれました。
テレビは憶えていませんが、ラジオは依然、ライオンズ中心の放送だったと思います。
と同時に、ライオンズが所沢に去って5年ほどが経過した80年代半ば頃からは、福岡への
球団誘致の噂がまことしやかに立っては消えの状況が繰り返されておりました。

そして88年、ついにその時を迎えます。
熱血漢の名物オーナーであった南海ホークスの川勝オーナーが4月に亡くなったのを契機に、
毎年10億円(当時)の赤字垂れ流しに業を煮やした南海電鉄本社の不満が沸騰!
南海ホークスが経営権を手放して、チームは福岡に移転するらしい・・・との有力情報が!
注目の譲渡先は、中内さんのダイエーグループ!!

同じ阪神地区での起業で何らかの縁があったのでしょうか、買収相手は当時バブル景気に
乗って破竹の勢いだったコングロマリットの雄、ダイエーの中内さんでした。
プロ球団待望論の根強い福岡に南海ホークスを移転すれば、地元の協力は容易に得られる。
その上で中内さんが狙ったのは、まずはベースボール&リゾート。
そして、福岡を発射台にしたアジア圏への更なる飛躍だったようです。

福岡の地元経済界は、もちろん、もろ手を挙げて賛成の大合唱。
一方、ファンのほうは複雑な心境です。よりによって西鉄時代にライバルだった憎きホークス。
ライオンズの代わりにホークスって、そんなに簡単に乗り換えられるほど単純な話か?!
他方、南海ホークスの地元大阪で巻き起こっている移転への大反対は、10年前に自らも経験
していて、とても他人事とは思えない気持ちもありました。

複雑な心境のファン、そしてもっと複雑な心境だったであろう選手たち。
色々な思いや感情、皮算用などが交錯する中、88年を最後に南海ホークスは静かに消滅し、
翌89年、本拠地を平和台球場として、新たに福岡ダイエーホークスが誕生しました。
79年以降、プロ野球無風地帯となった福岡に、10年ぶりに帰って来たプロ野球です!

当然ながら、表向きは歓迎ムード一色。
しかし一皮剥けば、そこにはドロドロとした、何とも得体の知れないものが蠢いていました。
福岡撤退から10年も経ったのに、まだライオンズを応援する声が多かったのも周知の事実。
特に、平和台でのホークスvsライオンズ・・・どちらがホームで、どちらがビジターなのか?
言うに言われぬ、本当に摩訶不思議な雰囲気が漂い続けました。

「ダイエーやら好かん。西武のほうが好いとう!」


(また書ききれませんでした、スミマセン! part3へ持ち越します。。)
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