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ホークスへの想い 3 [プロ野球]

さて、前回から随分と間延びしてしまいましたが、第3回目です。

78年のオフを限りに出て行ってしまったライオンズに代わって、
10年ぶりに来てくれたプロ野球チーム、それは浪花のホークスでした。
素直に嬉しい! これからは逃げられないように大切にしなきゃいけない。
だけど・・・。

あまりにも急な話で、みんな心の準備が十分出来ていない。
その上、馴染みも薄いので、レギュラー陣でさえも知らない名前があったりする。
さらにチームは弱い。特に投手力は壊滅的で、ストレスの残る負け方が多い。

記念すべき新生福岡ダイエーホークスの初代監督は、ジェントルマンの誉れ高き
杉浦忠さんだった。
だけど杉浦さんは、新球団となったその年限りの監督生活で、すぐにフロント入り。

二代目は田淵さん。知らない人のいない元ライオンズのスタープレイヤーだ。
丁度その頃だったと思う、地行浜(じぎょうはま:万国博覧会よかトピアの跡地)に
ドーム球場とリゾートホテルを建設するニュースがリリースされた。
軽く数千億のビッグプロジェクト。さすがは飛ぶ鳥を落とす勢いのダイエーグループ!
福博の街はみんな一様に驚いた。

1年目 89年:杉浦監督、4位(11.0) ※カッコ内は首位とのゲーム差
2年目 90年:田淵監督、6位(40.0)
3年目 91年:  同上  、5位(29.0)
4年目 92年:  同上  、4位(24.0)

杉浦監督、田淵監督の時代はタテ縞のユニフォームだった。
高名なデザイナーの作だと聞いたが、配色もイマイチだし、成績がパッとしないからか、
まったく強そうには見えず、却ってひ弱そうに見えた。
杉浦さんの1年目はまだしも、田淵さんの3年間は目を覆うばかりのBクラス。
必然的に、地元に根ざした雰囲気など、残念ながらまだまだ薄かった。

92年のシーズンを最後に、長らく親しんで来た福岡城址の平和台球場は役目を終え、
西へ約2キロ、地行浜に日本初の開閉式ドーム球場が誕生した。

93年はボロボロの平和台から最新鋭設備のドーム球場に変わり、監督も田淵さんから
根本さんに変わり、そしてユニフォームもタテ縞からシンプルなものに変わった。
しかし、相変わらずのBクラス。チームの成績だけはまったく変わり映えしなかった。

5年目 93年:根本監督、6位(28.0)
6年目 94年:  同上  、4位( 7.5)

93年のシーズンオフ、秋山がトレードで、小久保がドラフトでホークスに加わった。
94年オフには石毛、工藤がトレードで、城島がドラフトで加わった。
誕生当初は「福岡」という名前が付いただけの、実態としては大阪のチームだったが、
5,6年が経ったこの頃には、主力の選手たちもほとんどが入れ替わっており、
名実ともに福岡のチーム、九州のチームになっていた。

そして94年オフには少し次元の違う、飛びっきりのビッグニュースがあった。
それは、世界の王さんが監督として福岡にやって来るというものだった!

初めの頃の新聞報道には、誰もが懐疑的だった。
世界の王さんが、福岡みたいな片田舎に本当に来るのか?
そんなわけない、きっと何かの間違いだ・・・。
しかし、王さんは福岡にやって来てくれた。間違いなんかじゃなかった!

6年目の94年。チームの成績は4位だったが、成績は69勝60敗1分の勝ち越し。
貯金を持ったままシーズンを終えたのは、一体いつ以来なのか?
そんな中、元ライオンズの投打の要、秋山・工藤。そして王さんが監督。
おれたちのFDH(福岡ダイエーホークス)が、やっと花開くぞ!
翌95年のシーズン、悪くてもAクラス入りは間違いないと、みんなが思っていた。

7年目 95年:王監督、5位(26.5)
8年目 96年: 同上 、6位(22.0)
9年目 97年: 同上 、4位(14.0)

しかし状況に大きな変化は無かった。3年連続してリーグ最低の防御率。
そこそこは得点するものの、投手陣がそれを守りきることが出来ない。
結果を伴わないためだろう、王監督のギャンブルをしない手堅い采配(逆に言えば、
ワンパターンとも言える)にも、次第にファンの非難が集中し始めた。
過度の期待感がもたらす反動と言えばいいのか、暴徒化した心無い一部のファンは
王監督に生卵をぶつけ、「お願いだから辞めてくれ」などと醜い罵声を浴びせた。

早いもので、福岡ダイエーホークスになって、すでに丸9年の時が流れていた。
南海ホークス時代から指折り数えると、20年連続Bクラスという汚名である。
96年オフには井口、松中、柴原がドラフトで加わった。
97年には3年目の城島が3割を打ち、小久保が打点王を取った。
だが、ある種の諦めムードも漂っていた。


(part4に続きます)
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