2つの「さよならの言葉」 [音楽]
「さよならの言葉」(作詞/作曲:小野香代子)という曲をご存知でしょうか?
一番メジャーな言い方をすると、八神純子のデビューアルバム「思い出は美しすぎて」
のクロージングナンバー(10曲目)・・・ということになるんじゃないかと思います。
'77年(昭和52年)5月。
第13回ヤマハポピュラーミュージックコンテスト(ポプコン)のグランプリ受賞曲が、
小野が自作自演したこの「さよならの言葉」だったそうです。
ポプコンと言えば、今はもう無くなってしまいましたが、一世を風靡しましたよね~。
ところがところが。
この受賞でメジャーデビューが約束されたも同然の小野、あろうことか、その権利を
あっさりと放棄し、英語教師を目指して渡米してしまったんだそうです。
(CDライナーノートより)
結局、宙に浮いてしまったこのグランプリ曲はその翌年、前述のとおり幸運にも八神の
デビューアルバムの中で蘇える(※)ことになるわけですが、もしも八神がカバーして
くれなければ、恐らくぼくが知ることは無かったと思います。
(※実態としてはヤマハサイドの強い要望で選曲されたらしく、八神自身は乗り気じゃ
なかった? そりゃそうでしょうね。他にも自作の曲を多数持っていたらしいし、
記念すべきデビューアルバムに何でわざわざ後輩の曲を・・・。
しかしヤマハにも、ポプコン主催者としての意地があったのでしょう。
間違ってもグランプリ曲を受賞者都合で世に出さないまま放置する・・・なんてわけ
には行かなかったのだと思います)
ぼくは八神純子が歌う同名の曲は大好きで、ほぼリアルタイムで知ってました。
だけど、八神=自作自演という固定観念があったし、ほとんど歌詞カードを見ることも
なかったから、長い間、小野の作品という認識はありませんでした。
きっかけは忘れましたが、作者が八神ではないと気づいたのは12,3年ぐらい前かなあ?
小野香代子ってどんな人だろう?・・・とは思ったけど、その頃、小野の情報はほとんど
無いようでした。そしてそのまま時は流れ、いつものように忘却の彼方へ・・・(笑)
'09年7月。
幸運は突如として訪れます。小野情報(CD音源)にぶち当たったんですね。
(なぜ年月をちゃんと書けるか?ネット通販の購入履歴という強い味方があるからです!)
それと時を同じくして、youtubeに受賞直後のライブ映像がアップされていることも発見!
あり余る才能に恵まれながら、結局プロデビューしなかった彼女の映像は極めて貴重です。
30年以上も前の大昔の映像を、良くぞキッチリ残してくれていたものだと感謝するやら
感心するやら。また、残っていたとしても、youtubeの存在も大きいと思いますけどね。
(再度の差し替え。2016/11/27)
オリジナルはこんなにもボサノバ色が強いんですね。
一方、八神盤はポピュラーっぽい味付けだったんだなあと、今にして思いました。
わざわざ貼る必要もないと思うけど、成り行き上ということで。(笑)
(注:再度差し替えました。2019/05/08)
それにしても、甲乙つけ難い2つの「さよならの言葉」。
30年以上の時を経ても、まったく色褪せた印象がありません。恐るべき完成度の高さ。
と言うよりも、この世界はほとんど進歩がないのかも?(^^;
(文中、敬称略)