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藤井聡太棋聖、二冠&八段昇段! [将棋]

個人的な記録です。
賢明な諸兄は、どうかお気遣いなく。

              ***

いやあ、ちょっと複雑な心境といったら語弊があるかなあ?
本日8月20日、第61期王位戦七番勝負の第四局(二日目)が、地元福岡市の
大濠公園能楽堂で行われ、80手で木村一基王位を挑戦者藤井聡太棋聖が破り、
通算成績を4勝無敗とし、新王位となった。
藤井聡太新王位は棋聖とあわせて二冠となり、タイトル二期となったことにより
八段への昇段も同時に果たした。

新王位の王位戦でのここまでを、簡単に振り返ってみる。
先に獲得した棋聖と同様、挑戦権をかけた最後の一戦は永瀬二冠との対局であり
それに勝ってタイトルを掴んだ、というのがちょっと興味深い。

予選トーナメント(持ち時間 各4時間) ※段位、保持タイトル等はすべて当時
 ①竹内五段に勝ち
 ②西川(和)六段に勝ち
 ③出口四段に勝ち
 ④斎藤(慎)王座に勝ち

挑戦者決定リーグ(持ち時間 各4時間)
 ⑤羽生九段に勝ち
 ⑥上村五段に勝ち
 ⑦菅井七段に勝ち
 ⑧稲葉八段に勝ち
 ⑨阿部(健)七段に勝ち

挑戦者決定戦(持ち時間 各4時間)
 ⑩永瀬二冠に勝ち

七番勝負(持ち時間 各8時間)
 ⑪木村王位に勝ち
 ⑫木村王位に勝ち
 ⑬木村王位に勝ち
 ⑭木村王位に勝ち ※タイトル奪取

王位戦202008201700.jpg
(終局の瞬間。 AbemaTVのライブストリーミングより)

終局は16時59分。
上の画像からも分かるとおり、木村王位は34分、藤井挑戦者は1時間も持ち時間
を余しており、思いのほか早い時間帯の終局であった。

昨年の第60期王位戦第三局(8月8~9日)。
第一局、第二局と木村連敗で迎えた第三局は、同じく大濠公園能楽堂だった。
そこで豊島王位(当時)に一矢を報い、結局フルセットで木村が王位に就いた。
そういう因縁の大濠公園能楽堂であったが、木村には残念な結果になった。

特に二日目は、封じ手開封時点から、木村王位は引き立て役という感じに思えた。
局後の振り返りで木村王位が自ら指摘した、45手目の▲5五角がもしも敗着だと
したら、この二日目の勝負にはほとんど勝ち筋がなかったということだ。
インタビューで語った言葉が、ちょっと寂しげに聞こえた。

「ストレート負けは恥ずかしい限り。申し訳なく思っています」
「体調管理や準備には問題はなかった。実力ですかね?」
「イチから出直します」

              ***

ところで、今回の封じ手は本当にドキドキわくわくだった。
これ、実は多くのファンが同じだったらしい。
封じ手にこんなにドキドキわくわくしたのは、久しぶりのことだ。

61期王位戦封じ手.jpg
(開封された封じ手。42手目△8七同飛成。 王位戦中継blogより転載)

初日解説の橋本八段の言葉が印象的だった。
「木村さん、今年は相手が悪い」(相手が強すぎる、との意)

昨年、四十代後半にして、悲願だったタイトルを獲った木村九段。
「中年の星」と呼ばれたり、自らを「将棋の強いおじさん」と称したりした。
まさか4連敗のストレートでタイトルが逃げて行くとは思わなかったと思う。
どうか、再度挑戦権への戦いに没頭して欲しいと願うばかりだ。

それにしても、藤井二冠の強さはどう表現すれば良いのか?
そして、強さとは別に、藤井二冠は本当にワクワクする手を指す。
封じ手「△8七同飛成」は、升田幸三賞を取って随分話題になった、竜王戦の
ランキング戦で石田五段相手に指した「△7七同飛成」を彷彿とさせた。

藤井二冠の将棋は、まさにエンターテインメントに相応しい。
どこまで強くなるのか、本当に本当に楽しみだ。

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祝 藤井聡太 新棋聖誕生! [将棋]

第91期棋聖戦 五番勝負。
タイトルホルダーは渡辺明三冠(棋聖、棋王、王将)。
挑戦者・藤井聡太七段から見て、勝ち・勝ち・負けの2勝1敗で迎えた本日第4局。
藤井挑戦者が勝ってタイトルを奪取するのか?
はたまた、渡辺棋聖が勝って星を五分に戻すのか?

令和2年7月16日(木)。大阪市福島区の関西将棋会館。
午前9時対局開始、持ち時間は各4時間(昼休憩12時より1時間)。
結果は110手にて挑戦者・藤井聡太七段の勝ち。
投了時刻は19時11分であった。

202007161911rrr.jpg
(AbemaTV-LIVEのスクリーンショット。50秒まで読まれて投了を告げた渡辺棋聖)

第91期棋聖戦、藤井挑戦者のここまでを簡単に振り返ってみる。
棋聖戦は一次予選、二次予選、本戦トーナメントで持ち時間が違う変則棋戦である。

一次予選(チェスクロックにて持ち時間1時間)
 ①東八段に勝ち
 ②伊奈六段に勝ち
 ③竹内五段に勝ち

二次予選(持ち時間3時間)
 ④阿部(隆)八段に勝ち
 ⑤北浜八段に勝ち
 ⑥澤田六段に勝ち

決勝トーナメント(持ち時間4時間)
 ⑦斎藤(慎)八段に勝ち
 ⑧菅井八段に勝ち
 ⑨佐藤(天)九段に勝ち
 ⑩永瀬二冠に勝ち ※タイトル挑戦が決定

五番勝負(持ち時間4時間)
 ⑪渡辺棋聖に勝ち
 ⑫渡辺棋聖に勝ち
 ⑬渡辺棋聖に負け ※唯一の敗戦
 ⑭渡辺棋聖に勝ち ※タイトル奪取

最下層の一次予選から戦って挑戦者になり、夢のタイトル奪取までを果たしたのは
本当に久々の出来事だと思う。
結局、予選から決勝トーナメントに至るまでは10連勝。
そして、タイトル戦が3勝1敗。途中12連勝を含む13勝1敗でタイトル奪取となった。
17歳10カ月でのタイトル挑戦、そして17歳11カ月での戴冠は史上最年少である。

ついに大天才が本性を現した。
一体どこまで強くなるのか、恐らくそれは本人にも分からないのではないか?
何はともあれ、おめでとう、藤井新棋聖!!

             ***

思えば新世代と言われた羽生さんがキラ星の如く登場し、「チャイルド・ブランド」
などと揶揄されながら古いタイプの棋士を完膚無きまでになぎ倒して行ったのは、
1980年代後半から1990年代でした。

そして、ついに1996年、絶対に不可能だと言われた七つのタイトル戦のすべてに
勝ってしまうという将棋界の大事件(※)、「七冠独占」をやってのけました。
※ひとりの棋士が七冠を独占してしまうなんて、他の棋士は一体何をやってるんだ
 と散々叩かれた。

その羽生さんを打倒したのが、本日失冠となってしまった渡辺さん。
七番勝負制の将棋タイトル戦で、過去に一度も前例のなかった3連敗後の4連勝。
2008年に行われた第21期竜王戦で、羽生さん相手にそれをやってのけたのが、
誰あろう渡辺さんでした。

そして今年、2020年。
17歳の天才少年は、ついに8つの頂点の内のひとつを制覇しました。
しかし当然ですが、これは単なる通過点にすぎません。
AIを超える手を指す、6億手のさらに先を読む…etc
藤井新棋聖は一体どこまで進化するのだろうか?

1996年、2008年、そして2020年。
運命というのは12年周期(干支一周)なんでしょうかね?
世代交代と言ってしまったら、なんだか無性に寂しいです。
でも何となく、そういうものの一端を感じてしまったのも事実だなあ。
それは自分が引退の時期を迎えたのと無縁ではないのかもしれません。

             ***

追記 2020/07/17
渡辺明ブログに昨対局の自戦記(敗因分析)、そして今シリーズの反省点などが
さっそく掲載されていました。
さすがです、渡辺明二冠。もう次を見据えて始動している。
ここら辺りが彼の強さの秘訣なんでしょうね。
やはり超一流、器が違う。
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無冠でも羽生さんは羽生さん [将棋]

書こうか書くまいか悩みましたが、ぼくにはやっぱり大きなトピック。
ちょっとだけ書き残しておこうと考えました。
自分のための備忘録ですから、どうか皆さんスルーされて下さい。
よろしくお願いします。

     ***     ***

勝てばタイトル通算100期の金字塔、負ければ無冠に転落という一戦。
多くの将棋ファンが見守る中、行われた第31期竜王戦の最終第七局。
その結果については、すでに皆さんご存じのことと思います。

正式にアナウンスがありましたね、今後の呼称は「羽生九段」―
ぼくが生きている内には来ないで欲しかった日が来てしまいました。

今年7月、二冠で迎えた棋聖戦。
その頃絶好調だった豊島八段に棋聖位を明け渡しました。
この時点で二冠から竜王位の一冠に後退。

そして、先週の12月21日(金)。
昨年、久々に返り咲いて永世七冠達成に沸いたのも束の間、たった一年で
竜王位を広瀬八段に奪われ、羽生さん、27年ぶりのまさかの無冠に…。
羽生ファンにとっては悲しい2018年の年の瀬になりました。


平成30年12月21日―
第31期竜王戦第七局。
対戦場所は、近くに巌流島を望む関門海峡の春帆楼(下関)。
第七局ということで、先後を決める振り駒が下関市長によって行われました。
「と金」が三枚。広瀬八段の先手になりました。
うーむ、先手を引きたかったけどねえ。
一日目の20日は羽生さんがややリードする展開で終わりました。
ところが…

最近の羽生さん、中盤以降にやや緩手が出る。
この竜王戦七番勝負の中でも、2勝1敗で迎えた第四局がその典型でした。
100手あたりまでは優勢を拡大して、あとは押し切るだけという展開。
ところがそこで変調、「えっ?」という疑問手で一気に敗勢へ。

第七局終局後にご自身でも分析されてました。
「勝負どころで細かいミスがあったように思う」
この日は第四局ほどじゃないと思いましたが、やや似た感じでした。
中盤の終わり付近、終盤の入り口近くで出た緩手。
現在、レーティング第一位の広瀬八段がそれを見逃すハズがありません。
そこからはもう、アッという間でした。

羽生竜王_無念の投了rr.jpg
(投了の瞬間のスクリーンショット AbemaTVより)

ファンはもちろんショックですが、それを言うなら
ご本人の気持ちは計り知れません。
その表れでしょうか、この日は珍しくなかなか投げませんでした。
終盤の入り口付近では、もうほぼ駄目という形。
しかし投げないまま哀しい何十手かが指され、持ち時間もすべて使い切り、
最後は素人目にも分かる形作りをした後の投了でした。
あの羽生さんにして、投げきれなかったんですね。
投了された18時49分は、帰宅直後でした。
言葉が出なかったなあ。

「祝 羽生さん タイトル通算100期おめでとう♪」
実は、密かにそんな記事を下書きしていました。
竜王位防衛&通算100期達成のその日に、勇躍アップする予定でした―
そんな先走ったことするから、こんなことになっちゃったかなあ?(涙)

諸事情に鑑みれば、ここからのタイトル再奪取は相当厳しいと思います。
だけど、これで終わらないで欲しい。是非もうひと花咲かせて欲しいなあ。
羽生さんなら絶対にできると思う。頑張って欲しいです。
ぼくたち羽生ファンのために―

投了図r.jpg
(投了図 竜王戦中継サイトより転載)


さて2018年とも、もうすぐオサラバですね。
今年は6月に大任から解放され、一応まだフルタイムで勤務しておりますが、
内容的には、もうグッとお気楽な毎日になりました。
恐らくリタイヤも間近だろうと思います。
夢にまで見た365連休!
だけど真面目な話、予感としては恐怖だけしかありません。

今年の漢字は「災」だったんだそうですね。
すぐにピンと来るのは、自然災害よりも、ぼくの場合はいわゆる特亜三国です。
中でも「韓」という文字は、見ただけで生理的に拒絶するようになりました。

この国とは一旦、関係をリセットすべきだと思います。
もしお互いに必要な存在であるのなら、自然発生的に再度結びつくでしょう。
そうでないなら、所詮そのレベルだったということです。
隣国だから仲良くなんて、そんな無責任かつ能天気なことでは駄目です。
あとに続く世代のためにも、キチンとする義務があると思います。

今年の点数何点だったか?(笑)
チラッと考えてみましたが、もうそんなことをする必要もないようです。
というわけで、採点行為なし!

今年も皆さんのページのお陰で楽しませていただきました。
本当に心よりお礼申し上げます。
では皆さん、良いお年を♪

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米長邦雄さん逝く [将棋]

日本将棋連盟会長の米長邦雄さんが、今日18日朝、天国へ召されたそうです。
69歳の生涯はあまりにも短く、惜しい。
大ファンのぼくは悔しくて、悲しくて、もうほとんど言葉がありません。

永世棋聖、初の50代名人、コンピュータとの平手対戦に敗れた元名人・・・など、
米長さんを紹介するフレーズは、実に数多い。
だけど、どれをとっても、ぼくにはまったく事足りていない気がします。

「兄たちは頭が悪かったので、仕方なく東大に行ったんですね。
 でも、ぼくは頭が良かったから将棋指しになりました。(笑)」

有名なこのセリフ、決して奢らない米長さんだったからこそ許されました。
人間味あふれる、ジョークが好きな、洒落たハイセンスなおじさん・・・
それがぼくの大好きな米長邦雄でした。

米長さんと言えば、恐らく現代将棋で最も有名な手である5二銀の解説!
そうです、あまりにも有名な'89年のNHK杯、加藤(一)vs羽生戦。
こんな鬼手が飛び出した名局の解説が米長さんだったのも、何かの因縁ですよね。
やっぱり人徳じゃないかなァ。



米長さんの棋風は、とにかく前へ前へ。
少々無理筋でも、勝負所と見るやグイグイ突進する気っぷの良さ。
そうかと思えば、米長玉(9八玉)に代表される無類の粘り腰も兼ね備える。
ひとことで言えば、ファンサービス精神にあふれる棋士だったと思います。

「いずれ、あの男がやって来る」

後の七冠男・羽生善治に早くから注目し、「名人の器」と言っていましたよね。
ご自分の子供のような年齢の若手棋士に「教えを請う」と言って憚らないスタンスは
それまでの将棋界にはなかったものだったのではないでしょうか?

ああ、しかし。
今となっては、何を言っても空しい気がします。
最後に、絶筆となった米長さんのHPの記事を記念に貼り付けさせていただいて、
大好きな大好きな米長さんとお別れしたいと思います。


-------------<『米長邦雄の家』まじめな私 より転載>-------------

■最後の時(2)(2012.12.2)

 最後の時。先週こういう出だしだったもんで、心配してくれた知人、友人が
多かったです。その中でも忠告してくれる人がいて、告別式のあり方、不謹慎
なお墓などは止めた方がいいという、超真面目な人が居りました。
以後氣をつけます。

 人生は必ずいつか終わるもの。どのような形で投了するのか、あるいは投了
させられるのか。最近はそんなことを考えるのが多いのも又事実です。痛みも
なく苦しみもなく、寿命を全うできれば、これが一番幸せではないかと思い至る
ようになりました。
 悟りを開いた高僧になった訳ではありませんが、「人生すべて感謝である」
これが今の心境です。私はガンを患っていますが、これもことの成りゆきで、
人生はなるようにしかならないのだと達観しております。
 しかし、人生の達人にお会いして、それではまだだめだと教えられました。
この世には無駄なことは何もなく、ガンになったことすら感謝すべきであると
諭され、はっと氣づかされました。
 私自身の人生を振り返ってみると、60才までの勝負師人生、その後の経営
者としての人生に分けられるような氣がします。60才までのことは大方の人が
知っていることでしょうから、60過ぎからの会長職としての仕事の成果、内容、
等々を書き綴ってゆきたいと思います。

 次いで、俗人の生前指示についても書いておきたい。相続、告別式の手配
等です。全てが感謝といっても、やっぱり俗人ゆえに葬式に来てもらいたくない
という人間がいます。これをインターネットで公表していいものかどうか
(ま、そんなことはしませんけどね)。この感情も含めて、感謝なのでしょうか。
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かなり嬉しい♪ [将棋]

先頃、勝負がついた第七十期名人戦七番勝負。
結果は最終戦を待たずして4勝2敗で森内名人の防衛に終わりましたが、
この森内・羽生の戦いは、この先もまだまだ続くものと思われます。

さて、その第六局でした。
ぼくはいつものように、「封じ手予想クイズ」なるものに応募しました。
「封じ手」をご存じない方のために、少しだけご説明いたしますと・・・

名人戦は持ち時間(考えることが出来る時間)が両者9時間ずつあるため、
一日では終わらず、二日間で戦うことになっております。
それゆえ一日目は、戦いのどこかで一旦休戦(指し掛け)する必要があります。
一日目の最後の手は、指さずに紙に記入して(これを「封じる」と言います)、
その日を終わりにし、翌日は紙に書いた手から戦いを再開します。
普通に指して一日目を終わりにすると、対戦相手は次の手を翌朝までジックリ
考えることが出来るので不公平になりますよね。だから相手に分からないように
指さずに紙に書いて(封じて)一日目を終わるというわけです。
このようにして封じられた手を「封じ手」と呼んでいます。

この「封じ手」は、封じた本人以外に誰にも分かりませんから、ファンの皆さん、
予想して下さい! ・・・というのが、この「封じ手予想クイズ」というものです。
今回は羽生さんの手番で18時半になったため、羽生さんが75手目を封じました。
翌日、開戦前に封じ手が開封されました。
正解は▲2一飛成、大本命の手だったので、ぼくも正解することが出来まして、
かつ、幸運にも多くの正解者の中からの抽選にも当たり、見事に賞品をゲット!
・・・ということに相成った次第です。

IMGP0699r.JPG

IMGP0701r.JPG

うーむ、“第七十期名人戦記念”の金文字が眩しい。(笑)
賞品は、両対局者が一文字ずつ揮毫した扇子(無論、印刷物ですよ)でした。
森内名人の揮毫は「機」。羽生挑戦者は「悠」。
扇子は故 村山聖九段の「大局観」を持っていますが、かなり嬉しいです♪

ところで、嬉しいついでに折角なので、第七十期名人戦の最終第六局の投了図を
当選記念に貼り付けておきたいと思います。
勝負は森内名人の106手目、△8五桂で決着(羽生挑戦者投了)しました。
その盤面図が下記です。

70_R6_end.gif
   (※画像gif は名人戦棋譜速報のページより転載)

投了図 △8五桂以下は・・・
▲同銀△8七と▲同香△同桂成▲同玉△8六金▲9八玉△9七香まで。
タグ:名人戦 将棋
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名人戦 宿命の対決(パート2) [将棋]

羽生 vs 森内の名人戦が終わりました。
羽生名人から見て、3連敗後の3連勝で迎えた最終第7局。
結果は森内挑戦者が勝ち、見事、名人に返り咲きました。

今日は夕方から、勝負の行方が気になって仕事にならなかった。
仕事中にチラチラ見たりしたものの、もちろん凝視する余裕はない。
よし、こんな日は早く帰って、気の済むまでじっくり見よう!

19時には帰り着き、着替えもそこそこに封じ手以降をじっくりと。
いやあ、そうですか。おお、なるほど~。え?何でそうなるの?
・・・などと、独りごとを言うのが無類の楽しみであります。

それにしても、この2人の勝負は本当に清々しい。
無論、2人とも「勝ち」を目指して立ち向かってるのは間違いない。
だけど、羽生 vs 渡辺戦のようなテクニック&駆け引き的要素に薄い。
あくまでも、剛直球森内 vs かかって来んかい羽生の戦い。
見応えなんて、そんな生易しいモンじゃない。

今日は珍しく、羽生名人の往生際が悪かった。
ヘボ100%のぼくでさえ、勝ち目がないのが分かったぐらいだったから、
羽生名人が分からないはずがないのに、最後の最後まで投げなかった。
最後の数手は、ちょっと痛いぐらいだったなあ。
それだけ失いたくないタイトルだったということなんでしょうね。

今頃はインタビューやってる頃かなあ?
運が良かっただけです・・・なんて、いつもの森内節なのかなあ?
ずっと苦しい将棋でした。また頑張ります!・・・羽生さんもこれだろうなあ。
この2人、将棋以外ではキバを剥くことがありませんから。
タマには吠えたって、ガッツポーズぐらいしたっていいのに。

どちらが勝っても拍手したかったけど、森内新名人に盛大な拍手を!
フルセットで敗れはしたものの、羽生前名人の執念にも惜しみない拍手を!
今回も楽しませてくれて、ありがとう!
第一級のドラマを本当に本当にありがとう!!
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忘れていた言葉 [将棋]

何かと話題だった竜王戦の最終第7局が終わりました。
結果はご承知のとおり、140手で渡辺竜王が防衛し、初代永世竜王の称号を手に入れました。
3連敗後の4連勝と言うのは、将棋のメジャー大会では史上初の快挙。そして初代永世竜王――
24歳の鬼才・渡辺だからこそ成し得た偉業と言うことができると思います。

http://live.shogi.or.jp/ryuou/index.html


「(3連敗した)第4局以降、思い切り指そうと思ったのが結果的によかった」

渡辺さんの局後のコメントです。
難解な中盤、勝った渡辺竜王にはツキも味方したと思います。
だけどツキも実力のうち。ツキを活かせるのも、それなりの実力があってこその話です。
何よりも羽生名人を相手に3連敗してから4連勝する精神力の強さには、脱帽と言うより他はありません。
すごい男だと思うと同時に、敗れた羽生名人の心中は如何なものだろうと思っていました。
ところが――

「勝ちきれなかった。でも、力いっぱい指したので、しょうがない」

羽生名人は別の棋戦で竜王に敗れており、現在、竜王に4連敗中。
記録づくめの羽生さんにとって、同じ人に4連敗というのはあり得ない話だろうと思います。
もしや今日負けると5連敗。ほとんど考えられないことと言っても大袈裟ではありません。
しかし、結果はギリギリのところで敗戦。その局後の言葉がこれです。

トップ棋士には、人間性豊かな人が多いのは事実です。
森内さん然り、佐藤モテみつ君然り。謙虚の塊とでも言えば良いのか?
だけど、それにも増して、羽生名人の清々しさは何と表現したら良いのでしょう?
ぼくは本当に感動してしまいました。

昔は普通に言えた言葉だったのに、今はどこかに置き忘れてしまったようです。
初心に戻ろう。高望みなどせず、身近なことから、できることから始めよう――
羽生さんのコメントを読んだ瞬間、そんなことが脳裏を横切りました。

ぼくも精一杯やったので仕方がない、と常に言えるようになりたいと思います。

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名人戦 宿命の対決 [将棋]

いつものように囲碁将棋ジャーナルを見終わったら、引き続き興味深い番組が始まった。

「名人戦 宿命の対決~森内俊之VS羽生善治」

この番組、実は1ヶ月ぐらい前?に見てるんですけどね。
だけど2度見られて良かった。幸運でした!

将棋に限らず、勝負師全般に言えることかもしれません。
何の保証も無い、実力だけが唯一の拠りどころという毎日の中で、いかにして相手を打ち負かすか・・・
これはぼくが在籍する平々凡々とした世界とは、景色も空気も、時の流れも全然違うと思います。
無論、加藤・中原といったベテラン連中のほうが、より極めたものがあるのかもしれません。
しかし森内、羽生ら今をときめくスーパースターの言動は、年齢には無関係な興味があります。

実は将棋は、ぼくの人生を形成している重要なパーツのひとつです。
プロフィールのキーワードに登録していないのは、「遊び」の気分がここには無いから。
映画や音楽といった芸術性を追求する分野とは、ちょいとばかし世界観が異なります。

「平常心を持とうと考えること自体、すでに平常心ではない」

37歳の羽生はそう言いました。
その辺のハナ垂れ小僧が言えば何でもないセリフでも、彼が言えば違う響きになります。
将棋にとって理論は重要な要素ではあるけれども、いくつかあるセグメントのひとつでしかない。
自分の力の最大化を図るにはどうすれば良いのか?
そして同時に言えることは、相手の力の最小化を図るにはどうすれば良いのか?

「若い頃は理論的に正しいことがすべてでした。今は自分の感性を大事にしています。
 なぜなら、それが自分の実力を発揮させる最も重要なことだからです」

同じく37歳の森内はこう言いました。
若い頃から未来を嘱望された才能は、羽生から見れば明らかに遅咲きの部類に入る。
彼がようやく才能の鋭さ発露させ始めたのは、理論が勝つためのひとつの材料に過ぎないことを
完全に自らのものにしたからではないだろうか?

「24時間365日、自分はプロだと思い続けることがプロの要件です」

まさか羽生がプロじゃないなんて言うヤツがいるとは思えないが、羽生にとってプロとは、自らの
意識の問題であると言った。一昔前の勝負師には必須とされた、「呑む・打つ・買う」とは対極に
あるような羽生でさえ、プロは技術とは言わない。無論、技術はそれ以前の話だとは思うが。

「常に新しいものを求めること、常に自分を高めようとする気持ち」

示し合わせたわけでもないだろうに、森内も羽生とまったく同じようなことを言った。
やはりスーパースター級は言うことが違うなあ。だからこそこの地位に居られるのでしょうね。
そう言えば、森内が初めて名人になった時だったかな、彼はこういう意味のことを言いました。

「私のような才能の無い人間でも、努力すれば名人になれることを示せたと思います」

謙虚が服を着ているが如き森内が言うからこそ、そしてそれが竜王戦のように瞬発力だけでは
挑戦することさえもできない名人という地位であるからこそ、その言葉には大きな重みがあります。
2人とも才能に裏打ちされた実力者。その才能は勝負の世界だからこそ認められるものだけど、
同時にそれは勝負の世界でしか発揮できないと思うと、少し悲しくなってしまいます。
それを言っても仕方の無いことなんだけど。

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