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おふくろとハンバーグ [昔話]

ちびっ子の好きな食べ物ベスト3に必ず入るらしい、ハンバーグ。
ぼくが初めて食べたのは、いつ頃のことなんだろう?
食べ物の記憶って、他の記憶に比べて、何だかすごくボンヤリとしていませんか?
ぼくだけかなあ? そんなことないと思うけど。

うっすらとした記憶を辿ると、恐らく中学生の終わり頃じゃないかという気がします。
しばらくの間は、おふくろが作るハンバーグを食べていたのを憶えています。
高校生の時は弁当にも入ってたから、嫌いじゃなかったんでしょうね。
しかし大学生になり、状況は一変します。

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(写真は唐津市のステーキハウス蜂のハンバーグステーキ、ジャポネソース)

昭和47年('72年)、大学生になったぼくはアルバイトに燃えておりました。
色々なバイトに精を出しましたが、その中でも長く続いた(条件の良かった)のが、
西鉄グランドホテルの中にあった洋食屋さんの皿洗いでした。
当時から既に食洗機が導入されており、仕事はラクチンそのものでした。

夕方からのシフトで、0時ごろまでの拘束。時給はいくらだったかなあ?(失念)
ここでは食事の提供がありました。いわゆる、「まかないご飯」というヤツですね。
そこで出てきたハンバーグ、ひとくち食べてぶったまげた。
おふくろが作ったヤツと全然違う、違うにも程がある!!

恐らく、外食でハンバーグなど食べたことがなかったのでしょうね。
洋食屋さんのまかないで出てきたハンバーグが、一体どんな味だったのか?
今はもう忘却の彼方ですが、少なくとも、おふくろのヤツとは天と地ほど違ってた。
それは疑いようがありませんでした。帰宅後、さっそくおふくろに報告。
(詳細は忘れました。多分、こんなやりとりだったと思う)

ぼく:お母さん、うちのハンバーグ、おかしくない?
おふくろ:どしたの?
ぼ:バイト先で食べたら、いつものと全然感じが違ってた。
お:どういう風に?
ぼ:どういう風にって、すご~く旨かった。うちのおかしいよ!
お:・・・。
ぼ:うちのって、ハンバーグと言うよりも、肉団子を焼いたヤツって感じ。
お:・・・。
ぼ:お母さん、うちのはハンバーグじゃないよ。あれは肉団子・・・
お:そんなこと言うんなら、もう食べんでいいっ!(怒)

おふくろ、珍しく怒りました。
「食べんでいいっ!」という言葉を聞いて、ハッと我に返りましたが、時すでに遅し。
その後、ぼくがいる時の食卓には、二度とハンバーグが上ることはありませんでした。
今にして思えば、おふくろも強情だったなあと思います。

「お兄ちゃんはね、好きんしゃれんと」(=お好きじゃないのよ)

後から聞いたのですが、おふくろは妹にこう言っていたらしい。
「好きんしゃれん」(=お好きじゃない)というのは、ややイヤミが込められた言葉です。
ぼくがいない時には食卓に上っていたようだから、おふくろは食べたかったんでしょうね、
・・・あの焼き肉団子!(笑)

先日、カミさんにこの話をしたら、仏壇から怒って出てくるよ・・・と言ってました。
そんなことで出てきてくれるんなら、何度でも言おうかなあ。
おふくろ、肉団子を焼いたハンバーグ、もう1回食わしてくれー!^^;
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